生理中におすすめの食べ物&飲み物とは?避けるべき食材や食事メニューもご紹介
生理中には、摂っておいたほうがいい食べ物と、避けたほうがいいものがあることをご存知ですか?何かとからだの悩みを抱えやすい生理中は、それぞれに合った食べ物で対処することも大切です。おすすめの食べ物や飲み物で、生理中の悩みを緩和していきましょう。
1993年生まれ 東京都在住 1児の母
お茶の水女子大学大学院 食品栄養科学 修士
中級食品表示診断士
著書「小鍋のレシピ 最新版」(辰巳出版)
日経xwoman プロジェクトアンバサダー
気をつけたほうがいい?生理中の食べ物や飲み物
女性にとって、からだに不調が出やすい生理中ですが、食べ物や飲み物に気をつけることで症状を緩和できます。
生理中の悩みといえば、痛みやイライラ、鉄分不足にホルモンバランスの乱れなどが挙げられます。きちんとした食べ物や飲み物を摂るようにすれば、不調も和らげやすくなります。
ただし、間違ったものを選ぶと悪化してしまうこともあります。生理中におすすめの食べ物や飲み物に加えて、避けたほうが良いものをチェックして、生理中の不調に対処していきましょう。
生理中の不調におすすめの食べ物
痛みをやわらげる食べ物
生理中の不調の筆頭ともいえる痛みでも、食べ物しだいで和らげられます。生理中の痛みの原因はいろいろありますが、血行の悪さが影響していることが多いといわれています(*1)。
そのため、からだを温めて血行を促進してくれる「ショウガ」は、痛みを和らげるのに適した食べ物だといわれています。薬味やスープの具材にして、食事に取り入れてみましょう。
また、EPAやDHAなどの脂肪酸が豊富な青魚にも、血行をよくする効果があります。刺身で食べたり、煮付けやつみれ汁にしたりするなど、脂肪酸を逃さない方法で調理してみてください。ショウガとの相性もいい食べ物なので、一緒に使うのもおすすめです。
- ショウガ
- 青魚(イワシ・サバ・サンマなど)
痛みの緩和におすすめの食べ物
(*1)は、EVE「生理痛の原因」より参照しました。
ホルモンを整える食べ物
生理中の、ホルモンバランスの乱れが原因で起こる不調にも食べ物が影響します。ホルモンバランスが乱れると、腹痛や頭痛といったからだの不調から、イライラや落ち込みなどの心の不調も現れやすくなります(*2)。
そのため、生理中は女性ホルモンの分泌をサポートするビタミンB6やビタミンEが多い食べ物を摂ると良いです。また、女性ホルモンと似たような働きをするイソフラボンを含む大豆製品もおすすめです。納豆や豆腐などを食事に取り入れると、不調を軽減させる助けになります。
- ビタミンB6:肉・魚・大豆製品・にんにくなど
- ビタミンE:ナッツ類・かぼちゃ・大豆製品など
- イソフラボン:大豆製品
女性ホルモンを整える食べ物
以下の記事では、ホルモンバランスが整う食べ物を紹介しています。ホルモンバランスを整えたい方は、ぜひチェックしてみてください!
(*2)は、荘田レディースクリニック「ホルモンバランスについて」より参照しました。
鉄分不足を避ける食べ物
鉄分不足も生理中の不調の大きな原因になるので、食べ物を活用して避けるようにしましょう。鉄分が豊富な食べ物はいろいろありますが、植物性の食材は、ビタミンCや動物性たんぱく質と一緒に摂るようにしてください。体内への鉄分の吸収を良くしてくれます。
- 動物性(ヘム鉄):レバー・赤身肉・赤身魚など
- 植物性(非ヘム鉄):ほうれん草・小松菜・海藻類・大豆製品など
鉄分不足を避ける食べ物
リラックスを促す食べ物
生理中にイライラしてしまうときは、リラックスを促す食べ物を摂ってみましょう。おすすめは、カルシウムやマグネシウムが豊富な食べ物です。どちらも神経の興奮を抑える作用があるため、不足しないよう食事から摂るようにしてください(*3)。
- カルシウム:乳製品・小魚・海藻類
- マグネシウム:海藻類・魚介類・大豆製品
生理中にリラックスを促す食べ物
以下の記事では、カルシウムが多く含まれている食べ物を紹介しています。気になる方はぜひチェックしてください!
(*3)は、厚生労働省「e-ヘルスネット」より参照しました。
生理中の不調におすすめの飲み物
生理中は、食べ物だけでなく飲み物にも配慮するようにしましょう。不調を避けるのにおすすめなものがあるので、食べ物と併せて食事に取り入れてください。
痛みをやわらげる飲み物
生理中の痛みを和らげる飲み物として、ショウガ湯やハーブティーがおすすめです。ショウガはもちろん、ハーブにもからだを温めたり血行を良くしたりする作用を持つものがたくさんあります。
生理中の飲み物は、アイスではなくホットにするのがおすすめです。ハーブの効能とあいまって、からだを温める助けになります。血行を良くして痛みの緩和につなげましょう。
- カモミールティー
- サフランティー
- ローズマリーティー
- ジンジャーティー
痛みをやわらげるハーブティー
ホルモンを整える飲み物
大豆から作られる豆乳は、ホルモンを整えてくれる生理中におすすめの飲み物です。大豆に含まれるイソフラボンという成分が女性ホルモンに似た働きをしてくれるので、ホルモンバランスの乱れによる不調を避けるのに活用してください。
おすすめの飲み方は、ホット豆乳です。温めるだけでOKなので、生理中はなるべく飲むようにしましょう。
鉄分不足を避ける飲み物
生理中の鉄分不足を避けるには、豆乳やきな粉を使った飲み物がおすすめです。大豆には、イソフラボンだけでなく鉄分も豊富に含まれているためです。
ただし、植物性の鉄分は体内への吸収があまり良くないので、ビタミンCや動物性たんぱく質と組み合わせるようにしましょう。例えば、豆乳+オレンジジュースのドリンクや、きな粉を加えたミルクココアなどがおすすめです。簡単に作れて、すぐに飲める点も魅力です。
リラックスを促す飲み物
生理中にリラックスを促す飲み物を摂りたいのであれば、牛乳やルイボスティーが良いです。牛乳には、神経の興奮を抑えるカルシウムやマグネシウム豊富に含まれています。
また、ルイボスティーもマグネシウムが豊富な飲み物として知られています。生理中のイライラを緩和するために、活用してみましょう。
生理中の不調を緩和する食事メニュー
生理中におすすめの食べ物は、どんなメニューにすれば良いのかも気になるところです。不調の緩和に効果が期待できる食べ物を、生理中に適したメニューの形にしてみてください。
肉豆腐鍋
生理中の不調を緩和させたいのであれば、肉と豆腐をたっぷり使った鍋を作ってみましょう。牛肉の赤身は、鉄分やビタミンB群が豊富ですし、豆腐は鉄分に加えてイソフラボンやマグネシウムの補給にも向いている食べ物です。
また、温かい鍋にすることで血行を良くする効果も期待できます。先ほど紹介したおすすめの食べ物を、冷えたからだを温めてくれるほっこりメニューにして、生理中に必要な栄養を摂取していきましょう。
- 牛肉(こま切れ) 100g
- 木綿豆腐 150g
- 白ネギ 1/3本
- 白菜 80g
- (A)酒 大さじ1杯
- (A)砂糖 大さじ1/2杯
- (A)めんつゆ(3倍濃縮) 大さじ2杯
- (A)水 200ml
材料(1人分)
- 木綿豆腐と白菜一口大、白ネギは斜め薄切りにします。
- Aの材料を合わせて鍋に入れ、火にかけます。
- 煮立ったら牛肉を加えてほぐし、豆腐・白菜・白ネギを加えます。
- 再度煮立ったらフタをして、弱火で2~3分を煮れば完成です。
作り方
鮭とほうれん草のおかゆ
鮭とほうれん草のおかゆは、生理中で食欲がないときに食べやすいメニューです。鮭には、ビタミンB群やマグネシウムなどの栄養が含まれていますし、青魚ほどではありませんがDHAやEPAも摂取できます。また、ほうれん草は鉄分が多い食べ物のひとつです。
さらにショウガも加えれば、食欲も刺激されますしからだも温まります。血行を促す食べ物を中心にしながら、生理中の食欲がないときを乗り越えましょう。
- 鮭 1切れ
- ほうれん草 1/2束
- ご飯 150g
- 水 300ml
- だしの素 小さじ2杯
- 溶き卵 1個分
- 醤油・塩・刻みネギ・おろしショウガ 適量
材料(1人分)
- 鮭は1cm幅に切り、ほうれん草はゆでてアク抜きした後5cm幅に切ります。
- 水とだしの素を鍋に入れて中火で煮立てたら、鮭を加えて3分ほど煮ます。
- ご飯を入れてもう2分ほど煮立てたら、醤油と塩で味を整えます。
- おろしショウガを加えたら、溶き卵を回し入れて火を止めます。
- フタをして1分ほど蒸らしたら、器に入れて刻みネギをちらして完成です。
作り方
小豆とかぼちゃのミルクスープ
生理中のメニューとして、小豆とかぼちゃのミルクスープも試してみましょう。小豆とかぼちゃは、ビタミンEが豊富な食べ物です。牛乳を加えれば、カルシウムも補給できるので生理中のイライラが気になるときの食事にピッタリです。
また、小豆とかぼちゃはむくみ改善につながるカリウムも含まれている食べ物でもあります。そのため、生理中にむくみが気になるときにもおすすめのメニューになっています。
- 小豆水煮缶 150g
- かぼちゃ 150g
- タマネギ 1/4個
- 牛乳 100ml
- 水 200ml
- 顆粒コンソメ 小さじ2杯
- 塩 小さじ1/4杯
- オリーブオイル 適量
材料(2人分)
- かぼちゃとタマネギを1.5cm角に切ります。
- 鍋にオリーブオイルを入れて、タマネギが透きとおるまで炒めます。
- かぼちゃを加えて軽く炒めたら、小豆を加えます。
- 水・コンソメ・塩も加えたら、かぼちゃがやわらかくなるまで煮ます。
- 最後に牛乳を加えて、沸騰する手前まで温めたら完成です。
作り方
生理中に避けるべき食材
生理中におすすめの食べ物があれば、避けるべき食材もあります。おすすめの食べ物と一緒に使ってしまわないように、NGな食材も押さえておいてください。
からだを冷やす食材
生理中に避けるべき食材は、からだを冷やすものです。特に痛みが強い方は、気をつけるようにしてください。血行が悪くなり、痛みの原因となるおそれがあります。冷たい飲み物や料理、アイスや果物といった食べ物は、できるだけ避けるようにしましょう。
また、以下の記事ではからだを冷やすとされている食べ物を紹介しています。この記事も併せてチェックしましょう。
カフェインが多い食材
カフェインが多い食材も、生理中には避けた方が良いです。カフェインには、血管を収縮させる作用があり、痛みを引き起こす可能性があります。コーヒーやお茶、エナジードリンクなどの飲み物に注意しましょう。コーヒーや抹茶を使った食べ物もNGです。
油や塩分が多い食材
生理中に油や塩分が多い食材を摂ると、血行が悪くなったりからだがむくみやすくなったりしします。食べ物を調理する時や料理を注文する際も、油や塩分を控えることを意識しましょう。特にファストフードは栄養も偏るので、生理中は避けてください。
生理中の悩みは食事から改善しよう
生理中の悩みは、食べ物や飲み物に気をつけることで避けることができます。もちろん、生活習慣や睡眠など他のことが原因であることも少なくありませんが、食べ物は健康の基本です。
生理中におすすめの食べ物で、しっかりした食事を摂ること自体、無駄ではありません。悩みを抱える方は、まずは食事から改善してみましょう。