コレステロールの高い人が避けたい食べ物って?下げるための食事を解説。
コレステロールが高まるのを避けられる食べ物が分かれば、食事の準備も楽になると思いませんか。なるべく避けたい食品を、ご紹介していきますね。コレステロールが高くなる原因や、コレステロールを下げる食事のコツとあわせて、毎日の生活に取り入れてみてください。
1993年生まれ 東京都在住 1児の母
お茶の水女子大学大学院 食品栄養科学 修士
中級食品表示診断士
著書「小鍋のレシピ 最新版」(辰巳出版)
日経xwoman プロジェクトアンバサダー
コレステロールが高いとNG?
LDL(悪玉)コレステロールが高いと問題
コレステロールが高いといっても、必ずしも悪いこととは限りません。コレステロールとは、血液中に流れる脂質の一種のことです。
血液中に流れるコレステロールには、HDL(善玉)コレステロールと、LDL(悪玉)コレステロールの2つがあります。コレステロールが高いと問題になるのは、悪玉と呼ばれるLDLコレステロールです。
HDLとLDLの役割は?
HDLは体内のコレステロールを回収する役割、LDLは体内にコレステロールを貯める役割をもちます。LDLが高いと問題にされるのは、体にコレステロールを貯めることが関係します(*1)。
コレステロールのバランスが崩れると健康に影響
血液の中に、HDLコレステロールとLDLコレステロールが存在するだけなら、大きな問題になることはありません。むしろバランスをとって存在することは、健康には不可欠だとされています。
問題になるのは、HDLとLDLのバランスが崩れてしまうときです。血液中のLDLコレステロールが大幅に高いものになってしまうと、健康に悪い影響が出てしまいます。そのため、LDLコレステロールが高いとNGだとされるのです(*2)。
LDL(悪玉)コレステロールは高くなりやすい
なるべく増やしたくないLDL(悪玉)コレステロールですが、食生活や生活習慣に問題があると、高くなりやすいので注意しましょう。
ちなみに、LDLコレステロールは、検診での結果が140mg/dl以上となったときに高いと判断されます(*3)。結果が気になるときは、コレステロールを下げる食事や生活を取り入れるようにしてください。
(*1)(*2)(*3)は、厚生労働省「e-ヘルスネット」より参照しました。
コレステロールが高い原因は?
コレステロールが高いとは、LDLコレステロール(または総コレステロール)が高いことを意味します。高くなる原因にはいろいろなものがありますが、主に食べ物が関係していることが多くなっています。原因を詳しく知って、コレステロールが高い方は、改善のためのを下げる参考にしましょう。
コレステロールが多い食べ物のとり過ぎ
コレステロールが多い食べ物のとり過ぎが原因で、コレステロールが高いという方は少なくありません。コレステロールが高い方は、できるだけ普段の食生活で、コレステロールを多く含む食べ物をとるのは控えるようにしましょう。
コレステロールが高い食べ物は、様々あります。とくに注意したいのは、肉や魚の肝、魚介類の乾物、卵類、乳製品などです。とくにコレステロールが多いとされる食べ物は、なるべく避けてくださいね。
動物性脂質のとり過ぎ
動物性脂質が多い食べ物のとり過ぎも、コレステロールが高まる原因となります。ふだんの食生活で注意していないと、一般的にとり過ぎる傾向がある食べ物なので、意識してカットしましょう。特に、肉類や乳製品には注意が必要です。
植物性脂質の食べ物の場合は、あまり問題になりません。むしろコレステロールを減らす方向にはたらくといわれているので、HDLとLDLのバランスをとるために、食事に取り入れてみてはいかがでしょうか(*4)。
(*4)は、厚生労働省「e-ヘルスネット」より参照しました。
アルコールの飲み過ぎ
アルコールの飲み過ぎも、コレステロールを高める原因の一つです。アルコールの摂取する期間が長く、飲む量が多くなるほど、コレステロールが増えやすくなるので気をつけてください。
ただ、適量のアルコールは、HDLコレステロールの増加を助けてくれるといわれています。男性で純アルコール20g、女性は10gほどが適量です(*4)。
コレステロールのバランスをとるには、長期間の多量の飲酒をひかえることが大切です。お酒を飲む習慣がある人は、最低でも週に2日の休肝日をつくることから始めてくださいね。
(*5)は、厚生労働省「e-ヘルスネット」より参照しました。
運動不足
運動不足も、コレステロールが高まる原因の一つです。運動不足だと、HDLコレステロールが減り、LDLコレステロールが高くなりやすいといわれています。
逆に、コレステロールを下げたいときは、運動する習慣を取り入れてください。有酸素運動を中心に、少なくとも週に3日は行うと良いとされています。おすすめは、ウォーキング・スロージョギング・水泳・サイクリングなどです。
また、1日の運動は、30分間を目安にしましょう。まとまった時間がとれないときは、合計30分以上になるよう、運動を小分けにするのも良いですよ。
効率よくできるウォーキングのやり方を知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください!
なるべく避けたいコレステロールが高まりやすい食べ物
コレステロールが高い原因には、食べ物が深く関係します。そのため、毎日の献立の食材として、コレステロールが高くなりやすい食べ物を選ばないようにすることは大切です。なるべく避けたい食べ物をチェックしておきましょう。
食べ物①肉・魚の肝
鶏や豚のレバーや魚の肝は、コレステロール量が多い食べ物として知られています。とくに高いのは、フォアグラです。100gあたり650mgのコレステロール量があります。また、比較的食べることが多いレバー類にも気をつけてくださいね。
| フォアグラ(ゆで) | 650mg |
| あん肝(生) | 560mg |
| 鶏レバー(生) | 370mg |
| 豚レバー(生) | 250mg |
| 牛レバー(生) | 240mg |
食べ物②魚介類の乾物
魚介類の乾物も、コレステロール量が多い食べ物です。とくに加工されたスルメは、100gあたり980mgと高くなっています。お酒のつまみとしても選ばれやすい食べ物ですが、なるべく選ばないようにしましょう。
| スルメ(加工) | 980mg |
| 桜えび(素干し) | 700mg |
| しらす干し | 390mg |
食べ物③卵・魚卵
卵や魚卵を食べるときも、コレステロール量に気をつけてください。鶏卵は、特にコレステロールが多い食べ物として知られています。卵黄だけに限ると、100gあたり1400mg(*8)と、食べ物の中でもトップクラスの高さになります。
| すじこ | 510mg |
| キャビア | 500mg |
| いくら | 480mg |
| うずら卵(生) | 470mg |
| 鶏卵(生) | 420mg |
食べ物④卵・乳製品
卵製品や乳製品も、コレステロールや動物性脂質が多い食べ物として注意したいところです。とくに卵・乳製品を使った、お菓子やスイーツなどには注意してください。
おやつや食後のスイーツとしては、卵・乳製品以外の食べ物を選ぶようにしてくださいね。食事においても、バターや生クリームなどの食べ物を使うのは避けるようにしましょう。
| 無塩バター | 220mg |
| シュークリーム | 200mg |
| カステラ | 160mg |
| ベイクドチーズケーキ | 160mg |
| ショートケーキ | 140mg |
(*6)~(*10)は、文部科学省「食品成分データベース」より参照しました。
コレステロールを下げる食事のコツ
コレステロールを下げやすくする食事のコツも意識しましょう。コレステロールを下げるとされる食材はたくさんあるので、上手に食事に取り入れてください。
魚を中心にする
コレステロールを下げる食事のコツは、魚を中心にすることです。肉よりも、魚を主菜にした食事をとっていきましょう。
魚は、血液中のコレステロールを下げる不飽和脂肪酸などの成分を含む食べ物です。とくに、ブリ・イワシ・サンマといった、青魚を食材として選んでくださいね。青魚はコレステロールを下げる成分を特に多く含むので、積極的に選んでみてください。
動物性脂質の摂取を減らす
動物性脂質の摂取を減らすことも、高いコレステロールを下げるためのコツになります。ここで問題になるのは、肉類や乳製品に多く含まれている飽和脂肪酸です。同じ動物性脂質でも、魚類は不飽和脂肪酸が中心なので、問題にはなりません。
魚ばかりではなく、たまには肉をメインに食べたいと思ったら、赤身肉を中心にとるようにしましょう。脂身が少ない食べ物にであれば、飽和脂肪酸やコレステロールの量も、そこまで高いものにはなりません。
脂肪分が多い肉を使うときは、脂身を取り除いてから調理することがコツですよ。ある程度の脂質をカットすることができます。
食物繊維は毎日とる
野菜や海藻などの、食物繊維が豊富な食べ物を摂ることも、コレステロールを下げるコツの一つです。野菜を食べる量が少ない人は、意識してくださいね。
食物繊維が豊富な食べ物は、体内のコレステロールの排出をサポートするといわれています。野菜や海藻をしっかり食べて、高いコレステロールを下げていけるようにしましょう。
食物繊維の多い食べ物は以下の記事でも紹介しています。是非参考にしてみてください!
大豆製品も取り入れる
コレステロールが高い方は、毎日の食生活に大豆製品を取り入れるのも良いですよ。大豆を使った食べ物には、LDLコレステロールを下げる働きがあるとされています。納豆や豆腐、豆乳など、食事に取り入れやすい食べ物が多いので活用してくださいね。
飲み物は水やお茶がおすすめ
食事のときの飲み物は、水やお茶にするのがおすすめです。食べ物だけでなく、飲み物からもコレステロールを下げるサポートはできますよ。
とくに緑茶には、LDLコレステロールを下げる成分が含まれているといわれています。コレステロールが高い方は、アルコールや清涼飲料水などを緑茶に置き換えるなどの工夫をしてみましょう。
食べ物をゆっくり噛んで腹八分目に
食事のときは、食べ物をゆっくり噛んで、腹八分目におさえることも大切です。食べすぎやエネルギーのとり過ぎは、コレステロールを下げる妨げとなってしまいます。食事の食べ方も工夫して、コレステロールを下げていけるようにしましょう。
コレステロールが高い食べ物を避けて健康的に
コレステロールが高いときは、食べ物のとり方から対処していくと良いといわれています。高くなる最も大きな原因が、食べ物にあるためです。とくにコレステロールや動物性脂質が高いものは、意識して避けるようにしてくださいね。
また、食べ方を工夫することによって、コレステロールを下げることにもつながります。できることから始めて、健康的な生活を送っていきましょう。
健康的な食事をしたい方は、以下の記事もぜひチェックしてみてくださいね!